カーボンニュートラル、BCP対策、金沢マラソンボランティアなどKTECのサステナビリティ活動が目指す持続可能な社会のカタチとは?

事業統括部 飯島弦太、真下三千代

「もっと楽しく。もっと面白く。あくなき探究心で。」をパーパスに掲げているKDDIテクノロジー(社内ではKTEC(ケーテック)の愛称)。

KTECでは、サステナビリティについての取り組みを行っています。今回は、その業務に関わる事業統括部の飯島さんと真下さんに、詳しい内容とKTECが目指す未来を語っていただきました。



◇自己紹介をお願いします。

飯島:事業統括部所属の飯島です。総務、法務、リスクマネジメントといった業務に関わっています。前職で15年ほどコーポレート業務を経験し、その縁もあり、2023年8月にKTECヘ入社しました。具体的には、契約書の作成やチェック、今回のテーマでもあるカーボンニュートラルの推進、リスクマネジメントにおけるリスクの洗い出しや対策、内部統制の推進、また社内イベントの対応など、コーポレート全般の業務に携わっています。

真下:同じく事業統括部所属の真下です。主に人事業務全般に関わっています。私は2006年に入社し、当初は総務業務に携わっていましたが、会社の規模が大きくなるにしたがって業務内容も変化していき、人事の業務へシフトしていきました。主に採用に携わっているほか、入社・退社手続き、給与・賞与のオペレーションなどを担当しています

■“KDDI VISION 2030”を元に取り組みを決定

◇KTECでサステナビリティの取り組みが始まったのはいつごろからだったのでしょうか?

真下:サステナビリティを元に具体的な活動が本格化したのは。ここ数年の話になります。一部の業務においては継続的な取り組みがすでに行われており、昨年の幹部合宿ではサステナビリティをテーマにした研修が行われていましたが、全社を巻き込んだ活動という意味では今年度がスタートとなります。

飯島:私も同様の認識で、具体的な内容を検討し始めたのが今年度の期初、そこからさまざまな取り組みをスタートしました。

◇KTECとしてのサステナビリティへの取り組みとして、カーボンニュートラルやBCP、マラソンボランティアなどが挙げられますが、選定の基準はありますか?

飯島:KDDIグループとして、2030年ビジョンにサステナビリティ経営の要素(企業理念・KDDI Sustainable Action)を加えて、分かりやすく集約した“KDDI VISION 2030”を掲げています。その中で、カーボンニュートラルやBCP対応は早々に行う必要があると感じ、順次対応を進めている状況です。

真下:私は、社会への貢献、持続可能性を実現すること、会社の活動自体が、サステナビリティの要素を持っていると思っています。会社の技術を上げるということも結果としてサステナビリティに繋がると考えているので、サステナビリティ活動はこれまでの活動の延長線上にあると考えています。また、社員の労働環境を整えることも、社員の幸福度を上げることに貢献できるので、それもサステナビリティ活動にカテゴライズできるのではないかと。よりサステナビリティを意識して取り組み始めているのが今の特徴かと思います。


■KTECの取り組み①カーボンニュートラル

◇カーボンニュートラルの取り組みについて、具体的に教えてください。

飯島:カーボンニュートラルというのはそもそも、環境省で「二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から、植林、森林管理などによる吸収量を差し引いて、合計を実質的にゼロにすること」と定義されています。

そして前提として、“KDDI VISION 2030”にて「カーボンニュートラルについては2030年度までに達成する」というのがグループの目標として掲げられており、KTECにおいてもこの目標達成に追随した動きをしています。

KTECはBtoBが基本のため、電力使用が、達成のための重要なファクターになるのではないかと考えました。そこで、グリーン電力への転換を計画し、昨年度から本社の豊洲ビルにて導入し始めています。

ビル管理会社と交渉し、東京電力様の調達先をグリーン電力にしていただき「毎月何kw購入する」という契約を結び、徐々にその購入量を増やしています。最終的にはビルで使用する全ての電力をグリーン電力へ転換することを目標としています。

当初はKDDIの指針に合わせて2030年度中にグリーン電力100%を目標としていたのですが、節電の意識の高まりやテレワークの推進と重なり想定以上の効果が出ており、2028年度中には100%を達成できる見込みという試算結果が出ています。

また、2023年11月に金沢に拠点を立ち上げました。そこでもグリーン電力100%を目指して早々に導入をスタートしたのですが、北陸電力様ではグリーン電力のサービスがかなり充実していて、2024年8月から契約を切り替え、金沢オフィスも2028年度中に達成できる見込みです。


グリーン電力が充実の金沢オフィス

◇この取り組みで課題などは感じていますか?

飯島:本質的な目標達成のためには、より能動的な取り組みが必要だと感じています。

具体的には、節電はもちろん、エネルギー効率化のための機器導入や、電力をどこで多く消費しているかの分析などの対策が必要ですし、中途入社が多い会社なのでこの取り組みの周知が常に必要です。今後は継続的な啓蒙活動にも力を入れていきたいです。

■KTECの取り組み②BCP対策

◇BCP対策については、そもそもどういったものなのでしょうか?

飯島:BCP対策は、2011年に発生した東日本大震災を機に必要性が高まり、言葉として浸透しつつあるかと思います。Business Continuity Planningの略称で、企業が自然災害や事故などの不測の事態が発生した際に、損害を最小限に抑え、事業を継続できるよう準備しておく計画と定義されています。

2023年に金沢拠点を立ち上げ、その後間もなく能登半島地震が発生しました。オフィスの被害はそれほど大きくありませんでしたが、改めてBCPの必要性を実感する機会になりました。そしてBCP対策業務に直接関わるきっかけともなりました。

◇具体的にはどういうシステムで対策が講じられているのでしょう?

飯島:安否確認を重要な初期対応として捉えており、この部分はKDDIで展開している共通のシステムを用いています。年に数回訓練も行っており、繰り返し実施している結果、かなり定着していると感じています。

また、豊洲オフィスでは東京都が推奨している“社内に留まる人数×3日分を目安とした食料、水”を備蓄しています。それと併せて、非常通信手段として衛星電話やポータブルバッテリーなども備え、非常時に利用できるよう随時更新しています。


防災セットの一例

■KTECの取り組み③金沢マラソンボランティア

◇マラソンボランティアについては、どのようなきっかけでスタートしたのでしょう?

真下:金沢オフィスの開設がスタートかと思います。元々業務でも関わりがあったKDDI北陸総支社が近くにあり「KTECさんもぜひ参加を」とお声掛けいただいたことが最初のきっかけです。

KDDI北陸総支社では、マラソンだけではなく能登半島の災害ボランティアや川の掃除などさまざまな活動をされており、KDDIグループとしてのボランティア活動全体の取り組みについて説明を受けました。

◇マラソンでは具体的にどういったボランティアを行ったのでしょうか?

真下:給水ボランティアです。地域マラソンがボランティアの方で成り立っていることが特徴ということで、企業の立場ではありますが合同で参加し、地域活動に貢献させていただきました。

◇地域の活動に参加することがサステナビリティにどういった重なりがあると認識されていますか?

真下:地域活動への参加により、地域の方々と良好な関係を築くことで、それを一つのきっかけとしてKTECに入社したいという方が現れ地元の雇用に繋がることがあると考えています。きっとその方がKTECの成長を助けてくれたり、地元にとっては雇用機会を提供させていただいたり、お互いが発展する効果が生まれると思います。その繋がりは大事にしていきたいですね。


◇最後に、今後の展望について教えてください。

飯島:先ほどお伝えした社員の意識づけは実施していきたいと考えています。

また、カーボンニュートラルは取り組みとしてなかなか難しく、より細かく見ていくと、スコープ1〜3と分類されています。1が自社で何かを作るときに直接的に発生するもの、2が他社から買ったものの中に間接的に含まれる温室効果ガスと定義されており、これはグリーン電力への転換でクリアになると考えています。

問題は3で、例えば消費者がそれを捨てるとなったときの温室効果ガスも見込み値として算出しなければならないわけです。100%を目指すためには欠かせないところなので、具体的な道筋をつけ、何をすべきかの洗い出しをしていきたいと思っています。

真下:自社の利益の追求だけではなく、社会全体の発展に繋げるという本来のサステナビリティの考え方を意識しながら、自社で対応できることを一つずつ確実にやっていきたいです。地域への貢献など外への対応はもちろん重要ですが、私の中では社内で働く人こそKTECを支える一番大切な存在であるので、多様な働き方を受け入れ、幸福度高く充実した生活を送れるような環境作りを進めていきたいと考えています。それがKTECはもちろん社会の発展にも繋がると思っています。

◇KTECのサスティナビリティの活動が、会社の成長だけでなく地域や社会全体の発展にも繋がっていることが詳しく理解できました!飯島さん、真下さん、お話いただきありがとうございました。

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