楽しみながら挑戦し続けることができる風土を守り、 エンジニアたちとテクノロジーで社会課題に向き合いたい。

個性豊かなKTEC社員にスポットを当てるKTEC TIMES。今回は、溝口健次郎 代表取締役社長のインタビューをお届けします。溝口社長のこれまでやKTEC社員に対する印象、テクノロジーについてのお考えなどをお聞きしました。


代表取締役社長 溝口健次郎さん

1974 年生まれ。1997年に第二電電 株式会社(現・KDDIの前身)に入社。その後、さまざまな分野でのサービス企画や開発業務を経験し、2025年にKDDIテクノロジー株式会社 代表取締役に就任。休日にクレーンゲームを楽しむ子どもたち見るのが、楽しみのひとつ。

時代を象徴するような、多岐にわたる分野を経験して

―溝口社長は、2025年4月にKDDIテクノロジー(以下、KTEC)代表取締役社長に就任されたわけですが、それまではどのようなお仕事を経験してきたのでしょうか。

大学は理工系の学部で学んでいましたが、就職は超氷河期と言われた世代でなかなか苦戦しました。新卒でOA機器の商社に勤めた後、通信への興味が拭えず転職したのが、第二電電(KDDIの前身)。ちょうどWindowsやインターネットが普及し始めた頃で、インフラやサービスの企画をするISP事業を担当していました。

その後は、モバイルインターネット時代のコンテンツ料金の回収代行、ブロードバンドの時代に入ってからはコンテンツの企画に携わっていた時期もあります。2年ほど映像コンテンツのプロデュース業もやっていましたが、その時には映像を作る大変さを知ると共に、差し入れでよろこばれるお菓子にも詳しくなりました(笑)。

当時の上司に「これから広く見ていくためには、企画だけでなく技術を身につけることも必要」とアドバイスを受け、ここから9年にわたり法人向け事業での開発に関わるようになりました。法人向けの携帯電話(ガラケー)の開発を担当したのですが、この時の無線LANが付いた携帯電話の開発は、経験の中でトップクラスの大変さでしたね。

2018年からは2年間はKDDIが出資している名古屋のドローンの会社に出向して、事業計画や今後の方針に関わったり、2020年からはKTECと一緒にコンシューマー向けのアプリケーション開発を経験して、今に至ります。

KTECは直近でも数年間は一緒に仕事をしていましたし、過去2014年から4年間、KDDIテクノロジーを兼務する形で今後の計画に関わるようなこともしていたので、身近に感じていましたね。


―ご経験されている分野の広さに驚きますが、どれもその時代を象徴するようなものばかりですね。

インターネットの普及からスマートフォンが主流となる今まで、変化が激しい時代ではあったので、業務が変わるのは必然だったのかなと思います。求められるのであればお役に立ちたい。そんな気持ちで受け入れてきたので、あまり違和感はありませんでした。

転職もしていますし、幾度の出向や部署異動も経験して、場所ごとにそれぞれのやり方や文化があるということを知りました。そして、自分の正義を押し付けるのではなく、これまでや自分と異なるものを尊重する姿勢がいかに大切かも学ぶことができました。

ただ、新たな場所に身を置いた時に、自分が入る以上はアップデートする役割を担っていると認識しているので、どうアジャストしていくのが良いかを、毎回、慎重に考えて取り組みます。KTECの社長に就任した今も、まさにそうです。

社員との交流の中で、後押ししたい気持ちは強くなる


―KTECの社長に就任が決まった時には、どのような心境でしたか。

KTECの「技術で夢を現実に。」というビジョンや、「もっと楽しく。もっと面白く。あくなき探究心で。」というパーパスは以前から知っていましたし、個人的に魅力的だと感じていました。

KDDIの社員という立場でKTECを支援しているのと、社長になるのとでは、当然緊張感が異なり、自分で大丈夫なのだろうかと最初は多少の不安を感じたこともありましたが、ビジョンやパーパスの通り、社員のみなさんの楽しさやおもしろさの部分を大切にしながら、彼らの夢が現実になるように、またそれが社会貢献になるように後押しをしていきたいと思いましたね。

―普段、KTECのエンジニアたちと接する機会はありますか。

リモートで仕事をしている人も多いので、オフィスではなかなかコミュニケーションが取れませんが、5月に行ったKDDIテクノロジー全体会では、みなさん前で今後の方針などをお話しさせていただきましたし、その後の懇親会ではカジュアルにエンジニアたちとも交流をすることができました。

月に1回、自由参加の社内懇親会を企画してくれているので、それにも参加していますし、世代別のイベントも開かれるので50代の会に参加しています。前回は、40代の会にも参加が許されたので、40代の気分でそちらにも参加しました(笑)。みなさんの話を聞きながらビールを飲んでいるだけではあるのですが、和気あいあいと話せる場は仕事のこともそうでないことも含めて、社員のことや会社のことを知るいい機会です。


また、テックカンファレンス(社員間のコミュニケーション促進や技術力の向上を目的に、年に数回行われる社内オフラインイベント)でも、エンジニアたちの情熱に触れることができました。
印字の不良をみつける「MiraLens」という外観検査のシステムの紹介では、印刷物にゴミを検知するデモンストレーションをやってもらったのですが、実際に見てあらためて、技術の精密さも感じることができましたし、これからの発展性も感じました。

また、1,2年前に見たことがあるデジタルツインのレーシングシュミレーターも、当時は若干の粗さを感じましたが、今回はとてもきれいにできていて、その飛躍的なアップデートに驚きました。

思っていたよりもしっかり作り込まれていて、そこまでの完成度に到達しているのは、彼らの責任感の強さに他なりません。隔週くらいで各部の動きは聞いていますが、聞くのと見るのとでは大違い。みなさんの最新の成果を見ることができる機会は、とても刺激的で希望を感じるひとときです。

―KTECのエンジニアたちに対して、どんな印象を持っていますか。

KDDIの社員として関わっていた2017年頃はまだ60名くらいでしたが、今は3倍近くの人数になり、若い方も増えたことで昔以上の活気を感じています。

いろいろなバックボーンを持ったキャリア採用の方も多いので、いろいろな色が混じり合って楽しい印象もあります。一人ひとりがやりたいことを突き詰めているので、個々のスキルが合わさって大きな力になったり、化学反応が起きて新しいものが生まれたり。そういうチームとしての大きな可能性も感じています。

課題解決を担うチームとして、社会に求められる存在へ


―溝口社長は、これからのテクノロジーをどのようにお考えですか。

昨今、AIを活用したサービスには特に勢いを感じます。サービスの開発に限らず、さまざまな業務でもAIを導入することで作業時間が短縮され、集中すべきところや技術の向上に時間と労力を注げるようになるのは、とてもよいことだと感じています。しかしながら、どう活用されていくのかという点は、注意深く見ていかなくてはならないところです。

テクノロジーは、日々進化し続けていますが、あくまで手段であるということを忘れてはいけません。人々が感じている課題が膨らんだ先で、それを解決するための技術が生まれる。そう考えると、課題解決をしてはじめて、テクノロジーの価値が見直されるのではないでしょうか。

現在は、人口減少や高齢化、物価高騰など、日常の中で大きな不安を感じている時代です。だからこそ、テクノロジーへの期待は今後ますます高まっていくと思いますし、動いてゆく日々の中できちんと社会課題を捉え、解決するためのテクノロジーをしっかりと追いかけていく必要があると思います。


―今、KTECのエンジニアたちに、どんなことを期待しているのでしょうか。

通信インフラを提供することで多くの方の生活を支えているKDDIのグループ会社として、常に社会の課題解決に近いところにいるので、テクノロジーを使って社会貢献できるチャンスは非常に多いと思います。だから、自分の知識や技術力を最大限に活かして、社会の役に立ちたいと思う人や、積極的に自分から動けるような方に、KTECはとても向いているのではないでしょうか。

KDDIのフィロソフィの中に、「感謝の気持ちを持つ」「謙虚に素直な心で」「明るく前向きな姿勢で」というのがあるのですが、そういうことが信頼関係を築くベースとしてとても重要です。
個々に技術を磨くことも大切ですが、人との関わりがあるからこそ成長できるところもある。だからこそ、KTECというひとつのチームとして、知識や技術や人間力を共に高め合いながら、活躍していただけたらいいなと思っています。

会社としては、いろいろな変化や失敗も、さらによいものを生み出すためのきっかけとして受け入れ、安心して挑戦できる風土、楽しみながら開発ができる環境を作っていきたいですし、今いるKTECのみなさんと、そしてこれから出会う方々と一緒に、テクノロジーと戯れながら、社会に頼られる存在へと成長していけたらと思っています。


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