エンジニア経験を活かして“働き方改革”に挑む。 会社も社員も豊かに成長できる制度づくりとは?

個性豊かなKTEC社員にスポットを当てるKTEC TIMES。今回は、取締役 CFOの新谷拓也さんの記事をお届けします。エンジニアとして長年活躍してきた新谷さんがエンジニアのために考える、さまざまな制度や “働き方改革” についてお聞きしました。
取締役CFO 新谷拓也さん
1967年生まれ。1998年に第二電電株式会社に入社。エンジニアとしてインフラの開発や運用を担当した後、モバイルアプリやサービスの企画・開発に携わる。2019年、株式会社KDDIテクノロジーに取締役として入社。エンジニア経験を活かし、多岐にわたる働き方の施策に携わる。
携帯電話の普及と進化を目の当たりにしたエンジニア時代
―2019年に株式会社 KDDIテクノロジー(以下、KTEC)にいらっしゃるまでは、どのような仕事に携わってきたのでしょうか。
1988年にKDDIの前身の第二電電株式会社に入社して、インフラの開発や運用を中心に、さまざまな案件に携わってきました。初期は、無線基地局という携帯電話の電波を受ける装置の開発を主に担当していて、海外のメーカーに製造委託をするための仕様書を書いたり、納品されたものを試験し商用導入したり。
現場経験も必要ということで、大阪で基地局の建設設計にも携わって、業者さんと一緒にコンクリートを流したこともありました(笑)。現場を知っているか知らないかでは、仕様書を書くにしても全然違うんです。どういうことが重要なのは現場を見て理解できたことは多いですし、より具体的なイメージを持って考えることができるようになりましたね。
この頃の仕事で最も印象的だったのは、アナログ(TACS方式)携帯電話のサービス開始に向けて、基地局の開発担当をしていた時のこと。サービス開始の数日前に基地局の一部装置の改修が必要なことが判明し、サービス開始日に間に合わせるために、メーカーと一緒に血眼になって必死に関西一円の47局の装置を改修。サービス開始日の当日は少し緊張しながら交換局という場所でその時を待っていました。そして、0時を回った瞬間、通信表示装置に通信を示すLEDの緑のランプがピッと灯った瞬間、「これで無事にサービスが開始したんだ」とホッとすると共に、自分の仕事が人の生活の一部に繋がったことを実感できた気がして、胸が熱くなりましたね。
―インフラの開発を中心にさまざまな経験を積んだ後は、さらに領域を広げた開発に携わっていたとか。
2007年からは商品部門に移って、モバイル端末の品質管理を担当した後は、2019年まで12年くらいにわたって、アプリの開発やサービスの企画・開発に移りました。中でも印象的なのは、NTTドコモ、ソフトバンクとKDDIの3社の協業で開発していた「+メッセージ(プラスメッセージ)」というサービス。2016年から3年ほど担当していた案件です。
これは、SMS(ショートメッセージサービス)の機能を高度化させたサービスですが、企業文化が異なる3社で議論を交わし、時に、課題の優先順位をつけたり妥協点を見つけたりしながら、足並みを揃えてひとつのゴールを目指すというプロセスは、想像以上に大変で、その分学びも多く、よい経験をさせていただいたと思っています。
当時、KDDIはジェネラリスト育成という教育方針を掲げていて、3、4年でジョブローテーションをしながら知見を広げていくスタイルだったので、開発から運用、運用から建設、建設からまた開発へ、というように転々としながら経験を詰みました。
私は、そんな変化も新鮮に楽しめるタイプ。若い頃に多様な人と会って、いろいろな価値観に触れることできたのはよかったなと、今振り返ってあらためて思っています。
働き方の大胆な見直しが、社員と会社の両方を豊かに導いた
―KDDIでさまざまな開発事業に携わってきた新谷さんが、新たな活躍のフィールドとして異動したのがKTECだったのですね 。
当時の上司から、ある日電話がかかってきて、取締役でKTECに行くようにと話を受けたんです。ミッションを聞くと、「コーポレート」だと。つまりは、総務・人事です。内心、「僕がですか?」と思いましたけど、なにか適性を見出してくださったのでしょうね。そこから、私のスキルチェンジがはじまりました。
今まで経験してきたこととは、全くちがう領域なので、何が起こるのかわからない世界。これも経験として楽しませてもらおう、と前向きな気持ちに変わりました。
しかし、昨日までエンジニアだった人がコーポレートの話をするわけです。当然、使ってきた用語も異なりますから、一緒に仕事をするメンバーからしたら、「この人、なにを言っているのだろう?」みたいな戸惑いもあったと思います。
コーポレートについては素人のようなものでしたが、エンジニアの気持ちはわかります。KTECの社員は、ほとんどがエンジニアですから、エンジニア経験のある私がコーポレートをすることに意味があったということかもしれませんね。
―新谷さんは、これまで働き方に関するいろいろな挑戦や変革をしてきていますよね。
KTECに来た時は、今とは少し空気感がちがっていて、エンジニアたちは言われたことを黙々とやっている感じ。もちろん、職人気質なところはいいところでもあるのですが、なんとなく暗い印象でもあったんです。
それで、まずは組織の状態ってどうやったら知ることができるのだろうと思って、展示会に足を運んだり、インターネットを使ってリサーチをしたり。そして、情報を集める中で出会ったのが、社員の声を引き出すことで、会社としての課題を見つけることができるツール「Wevox」でした。
これを使うことで社員の声はデータとして集めることができるようになったのですが、ここからもうひとつ大きな壁にぶち当たります。それは、このデータを元にどうやって組織を改善していったらいいのか、ということ。
そこからは、有識者の話を聞いたりしながら、探求に次ぐ探求。すんなりと答えが出るようなものではなかったので、かなり苦戦しました。
そんな時に、前社長 大井さんが就任したのは、ひとつのブレイクスルーのきっかけ。職場を明るくしていきたいというお話やチームワークを育んでいく方針、自律 というキーワードもいいなと共感して、そこからは向かう先が見えた気がしました。
そして、まずは働き方改革の第一歩として、上司との1on1制度や、それによる成長プロセスを意識した評価制度をつくりました。もちろん、その他にも改善すべきところはたくさんあったのですが、まずはエンジニア一人ひとりの成長に繋がることをしてみたい、という想いがあったのです。
―KTECでは、リモートワーク、フルフレックスがもう定着しつつありますが、このような働き方への切り替えも、新谷さんが取り組まれたことのひとつですよね。
そうですね。正直なところ、当時は社員の働き方というよりも、コロナ禍中にどう事業を継続するかの方が大きな課題でした。でも、ピンチをチャンスに変えるという気持ちでリモートワークをスタートさせたことは間違いありません。
これまでは出社がメインだったので、急ピッチでリモートワークの環境整備を行って、準じてフルフレックス制度も導入した流れです。
今まで対面で開発をしていたところから、リモートで行うことになったという点で、社員もかなり苦労があったのではないかと思います。それでも、チームでのコミュニケーションがおざなりにならないように工夫をするなど、部内での協力や個人の努力もあって、KTECの働くスタイルとして成り立つことができました。
リモートワークを導入してから、次第に売り上げも伸びて、会社の経営にも大きな影響がないことがわかったので、コロナ禍が落ち着いても、リモートワーク主体の働き方は継続しています。初動としては社員のためというわけではなかったのですが、思い切って柔軟な働き方の導入に踏み切ったのは、結果的にエンゲージメント向上や人財採用にもつながり良かったと思っています。
―リモートワークの導入によって、以前よりもコミュニケーションの機会を積極的に持っているとも聞きます。
そうですね。リモートワークだとリアルなコミュニケーションが少なくなってしまうことは懸念していたので、会社としては年に1回、社員がみんなで集まって話しをしたり、ワークショップを行ったりする機会を設けています。また、年に2回開催している 「テックカンファレンス」もエンジニアにとって刺激的なよい機会だと思っています。
数年前のアンケートなどで、「他部署がなにをやっているかわからない」という声も上がったのですが、最近は社員発案ではじまった小規模な交流会や、メンタルヘルスの施策として開催している年代別、血液型別などの交流会も行っているので、そのあたりは改善されているのではないでしょうか。
目的を持って話す場ではなく、なんでもいいから雑談でもしようというゆるい場でも、社内の風通しをよくするのには、大きく影響していると思いますね。
エンジニアたちがより安心して心地よく働ける環境づくりを
―今は、どのようなことに取り組んでいらっしゃいますか。
エンジニアたちは、楽しみながら開発をしている一方で、日々神経を使い、納期に間に合うように時間とも戦いながら仕事をしています。
そういう点から、ここ数年はメンタルヘルスのタスクフォースを立ち上げ、メンタルヘルスを健やかに保つことができるような制度づくり、いわば「心の安全基地」を提供できるような環境づくりに取り組んでいます。
まずは、パルスサーベイ(従業員の満足度に関する意識調査。短期間で簡単な質問で繰り返し、リアルタイムで従業員の意識をチェックするためのもの)を導入して、心身の健康状態をチェックしたり、メンタルヘルスの研修を半期に一度開催したりもしています。
不安なときに守秘義務が守られる形でカウンセリングを受けることができる、インバウンド型 のシステムを先に導入していますが、それとは逆に、日頃からセルフケアの意識を高めてもらうきっかけのひとつとして、専属のカウンセラーが主導的に定期的なカウンセリングを行うアウトバンド型のシステムも25年11月から開始しました。
また、保健師の採用にも踏み切りました。これは、働く人の健康支援もありますが、上長が部下のケアをする時の手助けになるという意味でも非常に有効だと感じています。
なにが効果的かというところは、やっていく中で見えてくることもたくさんあります。運用する中で、最適なものを残し、また必要なものを取り入れるような柔軟性を持って、さまざまな検討をしていきたいですね。
―新谷さんは、どんな方がKTECのメンバーにいるといいなと思いますか。
私がKTECに来たときと比較すると、会社の雰囲気はかなり変わりました。
職人気質で技術に向き合っているところは今も変わらないかもしれないのですが、個人商店的だったのが、今はコミュニケーションも増えてチームとして活気がある印象です。
なにができるかを積極的に考え、親会社にも提案をしているチームを目にしますし、独自でこういう開発がしたいという意欲あるエンジニアもいます。
エンジニアに必要なのは、いいこともそうでないことも素直に受け止めて、自分たちで変化できる素直さがひとつ。さらには、自分ができないことも認識して、相手の価値観や技術も認めた上で、一緒に学んでいける心だと思います。そういう尊敬の気持ちをもっていると、チームとしてより力を発揮できる強さを持てるのではないでしょうか。
KTECはキャリア採用の社員も多いですが、そういう方にはぜひ他社での経験を生かしていただきたいですし、KTECのやり方を是とせずに、どんどん意見を出していただきたいと思っています。
一人ひとりの新しい体験が、会社にとっても新しい知見になり、経験にもなっていきます。会社が進化するためには、新しい風は必要不可欠です。今のKTECは、そういうものを受け入れられる土壌が整ってきているからこそ、社内の雰囲気もよくなっているのかもしれません。
―KTECの近い未来を考えて、これから取り組んでいきたいことはありますか。
CSV(クリエイティブ シェアード バリュー)という概念がありますよね。事業そのものが社会的価値を生み、利益にも繋がるようになるための入口として、まずは社会課題を自分ごとにする必要があると思っています。
そういう意味で、サスティナビリティに対する取り組みや、能登半島への災害支援、豊洲での清掃ボランティアなど、社内で現在行っている社会的な活動を社内外に伝える活動はしていきたいですね。社内にも知らせることで活動の知名度があがり、参加者が増えれば社会に必要なものがリアルに理解できると思います。
また、今はワークライフバランスではなく、ワークライフインテグレーションを大切にする時代。社員の暮らしが充実することで、会社も豊かになっていくと考えています。
会社が働き方について議論をして、施策を打ち出すことは大切なことですが、社員のみなさん一人ひとりが自分の働き方を考えるということもまた、同時に大切なことだと思います。
そして、人によっていろいろな働き方の要望がでてくるときに、会社としてどう向き合うのかについては、私たちも引き続き、議論を重ねていきたいですね。
KTECは創設してから30年経っている会社ですが、まだまだ進化の途中です。そこに興味を持って、仲間になってくれる方と出会えたら嬉しいです。
―ありがとうございました!
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