多彩な人材が集結する、だからできること。KTECの歴史と描く未来

代表取締役社長 大井 龍太郎

2023年度で35周年を迎えたKDDIテクノロジー(社内ではKTECの愛称)。

KTECとはどんな歴史がある会社なのか、どういった価値観を大切にしておりどのような未来を見据えているのか、大井社長に語ってもらいました。


代表取締役社長 大井龍太郎(おおい・りゅうたろう)

通信機器メーカーでコードレス電話開発に携わったのち、九州セルラー電話株式会社(現KDDI)に入社。携帯電話システムの保守運用、交換機ネットワークの設計などに携わり、公式コンテンツの拡充(約4000社)に貢献。自社サービスのアプリケーションの開発、アプリやサービスの立ち上げ後、au商品の企画開発を経て、2020年よりKDDIテクノロジー代表取締役に就任。

■KDDIグループの中ではコンシューマー向けサービスの開発を主に担当


─早速ですが、設立からの経緯を大まかに教えてください。

1988年にKDD研究所(現・株式会社KDDI総合研究所)から株式会社KDDテクノロジーとして独立し、当時は画像の伝送や画像系のソリューションを主に行っていました。

その後、2000年にKDD、DDI、IDOの3社合併が行われ、KDDIという会社が出来たのですが、その時に弊社の社名もKDDIテクノロジー(KTEC)に変わりました。そして、合併の時に、国際電話の会社だったKDDにDDI、IDOが行っていた携帯電話事業が加わったことで、モバイル系の開発に事業内容が広がっていきました。

2010年あたりからはスマートフォンに端末が置き換わっていったので、通信キャリアが端末の開発には関わらなくなり、スマートフォン上でのアプリケーションの開発の方にシフトしていきました。そしてその後、KDDIという会社が事業を多角化していったこともあり、様々なサービスのアプリケーションを作ったり、端末・モバイルだけではなく、固定系のサービスのアプリケーションやデバイスそのものの開発にも関わったりするようになりました。結果的に取り組む技術の幅が広くなり、現在に至るという流れになっています。

─現状の主な事業や注力している事業を教えてください。

KDDIグループ内の役割で言うと、今はKDDIの事業の中では、主にコンシューマー向けサービスの開発を担っています。KDDIがauという携帯電話の中核事業を持ち、スマートフォン上でサービスを提供することが主になっているので、KTECの事業として中核になっているのはやはりモバイル開発です。

例えば2023年度であればヘルスケアや教育事業など、サービスのカテゴリが変わることはありますが、スマートフォンを中心にUIは作られていくので、我々のところに来る開発業務はスマートフォンアプリの開発の比重が大きいですね。

そして、売り上げの規模的にはデバイス開発も育ってきています。光回線を家に引くとホームゲートウェイやONUといった機器が家に送られてきますが、そういったホームゲートウェイのようなデバイス開発も担当しています。

■社員が作った“パーパス”は共通の道しるべ


─いろいろな変革を経て現在に至るKTECですが、パーパスを大切にしていることも特徴かと思います。会社の中でパーパスとはどういった存在でしょうか?

パーパスはみんなの共通の目的だと考えています。私が目指している“自律型の組織”は、社員の皆さんが意思決定を行えるようになることが狙いなのですが、何か共通の目的がなければ意思決定の考え方がバラバラになってしまいますよね。

だからパーパスは、社員の皆さんが共通の行き先に向かうための、道しるべになるためのものだと思っています。それぞれが意思決定をしたとしても、共通の目的に沿っていれば結果は大きくズレないでしょうから。

─パーパスを設定する際、有志の社員が中心になって進められたと。

そうなんです。道しるべとなるには、社員の皆さんがパーパスを理解しておかなければなりません。こちらが勝手に作って押し付けるのではなく、社員の皆さんから生まれたものにしたかったので、有志の社員が集まった“パーパス策定委員会”のメンバーを中心にして全社員の意見をまとめる形で作ってもらいました。

自律型組織にしたいというのは最初からずっと思っていたことなので、実現のために注力していますし、もう私のライフワークですね。

■新しい種を蒔き、事業のポートフォリオを広げていきたい


─就任してから、どのような組織を目指して来られましたか?

着任当初はコロナ禍の最中だったこともあり、あまり元気がない印象を感じていました。なので、それを解消し明るく楽しく働ける雰囲気にすることを目指しました。

また先ほどお伝えしたように、自律型の組織というのも就任当初から目指してきました。自律型組織になれば、社員の皆さんがやりたいことができるようになり、結果として明るく楽しい雰囲気になるのでは…といった考えの元、進めていたところがあります。

─実際に変化は感じていますか?

言いたいことが言いやすくなっているのではないかと思います。そして“やってみる”文化も芽生えてきているのではないでしょうか。実際に、パーパスを作る際にも手を挙げてくれる人が出てきていました。

─大井さんから見て、今KTECにはどんなメンバーが集まっていると感じますか?

基本的には皆さん真面目だと思います。ただ最近はずいぶんと個性を出せるようになって来たのではないでしょうか。着任当初の元気がないという印象からは変わってきたように思います。

KTECには様々な個性をもった方がいます。そういった意味では、様々な専門性、様々な経歴を持った多様な人が集まっていると感じますね。

─これから先、KTECが目指す未来を教えてください。

モバイル開発が中心であることは変わらないと思いますが、そこを中心に、周りで行っている事業を大きくすることで事業成長を目指していきたいと考えています。新しい種を蒔きながら育てていき、それらが徐々に成長していってくれることで、事業のポートフォリオが広がっていくといいなと思います。

あとは、AIやロボットなど、人間の代わりに出来ることを中心に増やしていき、ゆくゆくは人口減少による社会システムへの影響の助けになるような形で社会貢献にも繋げていきたいです。

─チームとしては、何か理想として掲げているものはありますか?

理想のチームというと、いつも『ミッション:インポッシブル』を思い描くのですが(笑)、チームメンバーはそれぞれ得意分野があり、専門性を持った人たちが集まって難しいミッションをクリアしていくというのが、私の頭の中にある理想的なチームです。

多様な得意分野を持った人たちが集まるからこそ、できないことができる。そういう形になっていくとイノベーションが起こると思うので、KTECを“多様な人が集まった自律したチーム”にしたいです。

─最後に、KTECへの転職を考えている方にメッセージをお願いします。

「能ある鷹は爪を隠す」ではないですが、多様な能力を持っているのにそれを発揮できないのは非常にもったいないので、「自分はこれが得意だ」とどんどんアピールしてもらいたいと思っています。

もちろん会社として能力を引き出すこともやっていかなければならないですが、爪は隠さずに。得意なことは仕事に限らず何でも良いと思います。多様性は価値ですから、自分の個性を出していって欲しいと思います。

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